コンビニバイトをしていると頻繁におかしなお客様が来店するものである。
笑っちゃいけないのに笑いが抑えられない場面に遭遇することも少なくなかった。
本記事では学生の頃4年間バイトしていたコンビニで遭遇した中でも、飛び抜けて奇妙だったお客様の話をしてみようと思う。
楽しんでみてくれたら幸いだ。
コンビニバイト時代に出会った涙が出るほど笑える話。
これはある老夫婦が来店した時の話である。
70代くらいだろうか。
一見普通というか、仲も良さそうな感じ。
そんな夫婦がレジに来た時に事件は起こったのである。
くじが引けることに驚きを隠せないおじいさま
コンビニでは昔、「スピードくじ」というのがあったのを知っているだろうか。
お会計700円につき1回引けるというやつである。
事件はこのスピードくじを引かせようとした時に起こった。
コンビニの買い物にしては結構たくさん買った老夫婦
老夫婦のお会計は2700円ほどだった。
夕食+ちょっとリッチなコンビニデザートを4つほど買ってたのでそのぐらいにはなるだろう。
金銭的に余裕がある夫婦なのかもしれない。
まあそんなのはどうでもいい。
問題は会計後のくじの話である。
おじいさまが奇妙なことを言い出したのだ。
9時じゃないのにくじが引ける!?
会計後、私はスピードくじの案内をした。
2700円だったので、3回引けますよと案内したのである。
そしたらこんな返答がきた。
「ほぇ〜このコンビニ9時じゃないのにくじが引けるんか。最近のコンビニは進化しちょるな〜」
最初聞いた時言ってる意味がわからなかった。
が、5秒程経って理解した。
なるほど。
ジョークの上手いおじいさまなんだなと。
たしかにその時の時間は22時20分だった。
全くもって9時ではない。
なかなか面白いノリだなと思って付き合ってみることにした。
至って真顔のおじいさま
「そーなんですよー。うち9時じゃなくてもくじが引けるんですよ〜。えへへ〜。」
と返答してみた。
これでお互いに笑い合って終わりかなと思った。
ところが事態はそう簡単なものじゃなかったのである。
なんとこのおじいさま、超真面目に返答してきたのだ。
「ほぇ!やっぱこのコンビニだけなんやろ?やっぱりなー。前別のコンビニ行った時は9時じゃないと引けなかったもん。」
あまりの展開に驚きが隠せない。
1つだけいえるとしたらこのおじいさまは、すごい勘違いをしているということだ。
恐らく前行ったコンビニでもくじの案内をされたのだろう。
そして以前案内をされた時は9時だった。
が別の日に9時以外の時間に行ったら引けなかった。
こんな背景があったのかもしれない。
私の勝手な憶測だが、こんなしょうもない質問をクッソ真顔で聞いてくるということはきっとそうなのだろう。
1番引っかかるのはおじいさまにとって
くじ=9時にしか引けないもの
という固定概念があるのかもしれないということだ。
話が複雑になったのでいったんまとめよう。
現時点で引っかかるのは下記2つだ。
- コンビニに限らず、おじいさまにとってくじ=9時にしか引けないものなのか
- 今来ているコンビニは9時じゃなくてもくじが引けるから特別だと思っているのか
恐らくこのどちらかだ。
どちらにしても非常にややこしい話である。
仮に前者なら私はこのおじいさまに
世の中の一般的なくじは9時じゃなくても引ける
と教えてあげなければいけない。
そうじゃなきゃあまりにも残酷な話だろう。
彼は、くじが9時にしか引けないものと思ったままこの世を去ることになるかもしれないなんて想像しただけで笑え、悲しい。
が、今さらくじは9時以外でも引けると若造にいわれて信じられるだろうか。
60年以上も当たり前だったことがいきなり変わるなんて凡人なら到底理解に苦しむだろう。
あまりの驚きに店内で暴れ散らかすかもしれない。
それだけは1番避けるべきだ。
かといって後者ならどうだろうか。
恐らくだがこのおじいさま、今来ているコンビニがすごく珍しいんだと思い込んでいる。
普通のコンビニは9時以外はくじが引けないけど、このコンビニは9時以外でもくじが引ける。
こんな話を広められたら溜まったもんじゃない。
別にスピ―ドくじはうちの店舗以外でも全国各地のコンビニで行われているし、なんなら9時じゃなくても引けるのだ。
というわけで、その旨を説明してみた。
おじいさまに再度返答してみる
「実はですね。このくじ全国各地のローソンでやってるんですよ。最近始まったばかりなので、前別の店舗に来店された際は開催されてなかったのかもしれないですね。」
完璧だ。
これなら変な誤解を招くことなく穏便に済みそうだ。
予想通り、おじいさまはこの答えで納得してくれた。
おじいさまにとって9時=くじにしか引けないものという固定概念があったのかどうかは謎のままだが、自分の身を守るのが優先だ。
一見落着。
と思いきや。
またしても事件が起こった。
ここまでの展開をずっと真顔で聞いていたおばあさま。
端から見れば大爆笑不可避であろうこの展開。
恐らくおばあさまはさぞ楽しんでるであろうと思いきや。
隣で真顔で聞いていたのである。
それもめちゃくちゃ興味津々でな様子で。
もう頭がおかしくなりそうだ。
くじが9時以外にも引けることがそんなに珍しいことなのだろうか。
考えれば考えるほど噴き出しそうだったので、その場では考えないようにしていたが何度思い出しても奇妙な話である。
くじを引く時も天然っぷりを発揮する夫婦
なにはともあれようやくくじを引いてくれることになったのだが、またしてもこの夫婦天然っぷりを発揮してきたのである。
昔のスピードくじは2種類の箱から選んで引くことができたのをご存じだろうか。
- お菓子やジュースがあたる通常コース
- お酒も当たるコース
アルコールがダメな人や未成年向けに分けられていたのである。
当然、今回もこの夫婦がアルコール飲めない可能性もあるので聞いてみた。
2種類のコースから選ぶ夫婦
このくじ2種類のコースから選べるんですけど、どっちにしますか?アルコールが飲めない場合は通常コースになりますけど」
と聞いてみた。
するとこんな返答がきた。
「これどっちが当たりやすいの?」
いや知るか。質問を質問で返すな。
と言いたい所だったが
「そうですねぇ。どっちもそんなに大差ないと思いますけどねぇ」
愛想よく返答した。
するとこんな返事が返ってきた。
「わしら酒は飲まんからこっちでええわ」
いやじゃあなんで聞いたん。
もう奇妙な点が多すぎて突っ込みどころしかないおじいさまだったのでした。
なんだかんだ楽しかったので、また会えたらいいなと思ってましたが、その後は会うことなくコンビニのバイトは辞めてしまったのでちょっぴり寂しいなと思ってます。
以上。
終わり!
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