子供が大きくなるまで離婚しない決断をした母親に申し訳なくて後悔しかない話

我慢した結果、将来子供が罪悪感を抱く未来を迎える可能性があることも知っておいて欲しい

ちょっと重たい話になります。

私はあの日、母親に残酷な決断をさせてしまった気がして本当に後悔しかありません。

母にはもっと早く自由になってもらった方がよかったのではないか。

離婚しない決断をしてくれた両親に対して子供の私が思ったことをありのままに綴ってみました。

今の気持ちを忘れないために備忘録として残しているだけなので、ちょっと読みにくい所があるかもしれません。

しかし最後まで読んでいただけると今離婚しようか迷っている方の参考にはなると思います。

目次

両親が本当に離婚してしまいそうな恐怖で感情を抑え切れなかった小学生の頃。

私の両親は多分、私が幼少の頃から夫婦仲がよくありませんでした。

毎日のように母は父に怒り狂い、家の中では罵声が飛び交っていたんです。

理由は父が世間一般的に言うクズ男だったから。

  • 家事・育児は全て母親任せ
  • 休日も1人どこかへ遊びに行き、帰ってくるのは深夜以降(まるで鉄砲玉のような人でした)
  • ギャンブル依存・宗教へののめり込みで多額の借金を抱える(私が知っているだけでこれまでに3回)
  • 抱えた借金は親に肩代わりして貰っている

まさにクズを絵に描いたような父親だったんです。

離婚したくなるのも無理はありません。

しかし、外でやっていることがクズなだけで子供の前では優しく振る舞っていた父親。

幼少期の私は父がそんなに悪いことをしている人だとは知りませんでした。

だからあの日、両親が離婚するかもしれないという現実が理解できなかったんです。

手紙を置いて突然出ていってしまった母

事態が急変したのは私が小学4年生の時。

年齢にすれば10歳だったと思います。

突然母が家から姿を消してしまっていたんです。

私が学校から帰ると机の上に書類が2枚残されていました。

1枚は役所で貰えるような紙に母親の名前と印鑑が記されていました。

恐らく「離婚届」だったのだと思います。

もう1枚は息子である私にあてられた手紙。

内容は今でも鮮明に覚えています。

長いので要点だけ説明すると

「お母さんはもう我慢できなくなってしまった。ごめんね。私の稼ぎではあなた達2人(私と弟)を育てる事ができないから多分、お父さんと暮らすことになると思う。こんなつもりじゃなかったのに。私のわがままを許してください」

という内容でした。

瞬時には理解できませんでした。

一体なぜ。いつも喧嘩しているのは見てたけど本当に離婚することになるなんて。

しかももうお母さんには会えなくなる。

そんなことを考えると胸が熱くなって涙が止まりませんでした。

すぐに家の固定電話から母に電話を入れました。

しかし、電話には出ない母。

どうしよう。やばい。心がソワソワして落ち着かず、今度は父に連絡しました。

電話に出た父親は驚いた様子で仕事を早めに切り上げ帰宅してきました。

父が帰ってきた後、なぜこんなことになったのか問い詰めました。

「僕たちこれからどうなるの?もうお母さんには会えないの?」

涙ながらに訴えると父も冷静なではないことが分かりました。

しかしなんとなく、なぜこうなってしまったのかは心が当たりはある様子で、

「おばあちゃんの家に行こう」

と私達を車に乗せ、そのままおばあちゃん家に向かいました。

到着すると見覚えのある車が停まっていました。

母の車です。

母は父から逃げるために実家に帰っていたのでした。

母がどこにいるのか分かりほっとしたのも束の間。

チャイムを押すと出てきたのはおばあちゃんでした。

いつもは優しそうなおばあちゃんが今までに見た事もないぐらい怒った様子で父を見つめていました。

その後僕達は車で待っているように伝えられ、おばあちゃんと父だけで何やら話が始まりました。

恐らく今後の事だと思います。

1時間くらい経った所でおばあちゃんと父が車に戻ってきました。

そしておばあちゃんからは

「ごめんね。長い時間待たせて。お母さんに会いたいやろうけど、今はちょっと休ませてあげてほしい」

ということを告げられました。

続けて

「あんた達はこれからどうしたい?お父さんと暮らしたい?お母さんと暮らしたい?」

と聞かれたんです。

すぐに私達は

「どっちかと離れるのは嫌だ」

と伝えました。

私達の思いは通じたのか、その日は家に戻って夜を迎え、翌日学校から戻ると母は帰ってきていました。

その時の母はちょっと吹っ切れたような表情で

「やっぱり離婚はしないから。お母さんが我慢すればあなた達は悲しい思いをしなくて済むもんね。ごめんね」

と告げ、抱きしめられました。

とりあえず一見落着かと思いつつも、なんとなく母の言葉が引っかかっていました。

「お母さんが我慢すれば・・・」

お母さんが我慢すればいいと吹っ切れた母。

その後、父と母は仲直りしたわけではなさそうでした。

ただ言い合うような喧嘩はなくなり、お互いに全く口を聞かない。

いわゆる仮面夫婦状態になってしまったんです。

父と何か話す事があれば子供を通して聞くような感じで、お互いに直接会話することはありません。

そんな状態が10年以上続きました。

正直前にも増して家の中の雰囲気は殺伐としていたように思います。

私も中学生、高校生と年齢を重ねるに連れて2人の離婚を拒んだことを後悔したことすらありました。

父も最初こそ反省した様子で家事にも協力的になっていたのですが、長くは続かず気づいたら家の事は全て母任せ、休日も鉄砲玉で家にいない状態になっていました。

やはりギャンブル依存による浪費・遊び癖は治っていなかったんです。

家に父がいることはほとんどなく、家族揃っての会話も全くない。

そんな状態のまま、私は大学を卒業し社会人になりました。

一人暮らしも始め、お金は自分で稼ぐようになり親元から自立しました。

両親の助けなしでも生きていけるようになり、これで母は自由になれるのかと思っていたんです。

年齢を重ねてしまった結果、離婚に踏み出せなくなった母

私が社会人になった今、母はもう還暦を迎えようとしています。

つまり離婚したとて、自分で生活費を稼いでいくのは現実的に難しい状態になってしまいました。

父の収入がなければ生活していくのは難しいのです。

さらに残酷なのが、父のギャンブル癖は治るどころかますます悪化していること。

この前母に

「うちは(父のせいで)もうお金がないのよ」

という言葉と共に通帳の残高を見せられた時は衝撃が隠せませんでした。

本当にこれが50代夫婦の貯蓄額の全てなのかと思うと信じられらない数字。

家計調査などで発表されている50代夫婦の貯蓄の中央値とはかけ離れたものでした。

この貯金で両親は今後老後を迎えるのかと思うと不安でたまらないし、今まで散々我慢した母の迎えた末路も残酷すぎる。

あの時我慢させていなければと思うと子供としては後悔しかありません。

子供のためと思って離婚を躊躇った所で離婚の元凶となっている当人(父親)が変わらなければ迎える未来は最悪だってことになぜ気づけなかったのか。

恐らく離婚って年齢を重ねれば重ねる程決断が難しくなります

おまけに離婚を我慢した所で子供のためになるかといえば決してそうとも言えない。

たしかに別の見方をすれば両親が離婚しなかったおかげで大学まで通わせてもらえたとも言えます。

しかし、それは離婚していればできなかったかと言うとそうも言えない気がするんですね。

両親は稼ぎも少なかったので、私達兄弟は学生の頃もバイトしまくって生活費は自分で稼いでいたし、学費だって奨学金で賄っている。

そう考えると離婚で子供の未来が狭まるなんて考えは、自分達が離婚しない理由を正当化しているだけとも言えると思うんです。

私の母の場合はそうではなく、まだ幼かった私達の感情論に打ち負けてしまった側面が大きい気がしますが、どちらにせよ先の未来を想定するなら我慢するのが決して得策とも言えなかったと思うんです。

何が正解と判断し難い離婚問題ですが、私はあの時母の離婚する決断を阻止してしまった結果、母に不幸な人生を歩ませてしまったのかと思うと申し訳なさだけが残って凄く複雑な気持ちです。

母が離婚しない決断をした理由

社会人になって初めて母がなぜ離婚しなかったのか聞く機会がありました。

話してくれたのは母方の祖母です。

単刀直入にいうと、おばあちゃんが母を必死に説得してくれていたのだそうで

  • 離婚したら子供のことはどうするのか
  • あの人(父親)に任せたら子供達は可哀そうな運命を迎えることになる
  • 子供のためにもあともう少しだけ我慢してあげて欲しい

ということを伝えた結果、母は離婚しない決断を取ったそうなんです。

これに関しておばあちゃんも責任を感じている様子で

たしかにあの時はあんた達が可哀そうで必死に離婚するのを止めたけど本当にこれが正しい選択だったのかは分からんよね」

とも話していました。

今の父の残酷すぎる状況、母の憔悴しきった様子を見てあの時止めていなければという後悔もあるようでした。

多分母も色んな人からの助言を受けた末に離婚しないという決断をしたのだと思います。

しかし、本当に正しい決断だったのか。

結局どんな決断をしても後悔は避けられないのかもしれませんが、難しい問題だな~としみじみ感じています。

我慢した結果、将来子供が罪悪感を抱く未来を迎える可能性があることも知っておいて欲しい

本記事で私が伝えたいのは、親の迎える未来次第では子供が申し訳なさを感じ一生罪悪感を背負って生きていかざるを得ない未来を迎える可能性もあるってことです。

私は小学生の時のことを思うと、母に頭が上がりません。

あの時離婚すると決めた母の決断を幼い感情論で拒んでいなければ、母はこんなにも最悪な人生を歩まずに済んでいたかもしれないからです。

だから子供が可哀そうだから離婚しないとか、世間体が悪くなるからとか感情論や見栄ではなく、

  • 今後相手(嫁・旦那)は反省して変わる可能性があるのか
  • 子供のために相手(嫁・旦那)の存在は本当に必要なのか
  • 今後相手(嫁・旦那)と暮らして自分は幸せな人生を歩めたと胸を張って言えるのか

上記3つについてよく考えて決断した欲しいというのが子供の目線から見た正直な意見です。

たしかに子供が幼い頃に自分達が離婚することで子供に迷惑をかけてしまうと考えると離婚は最悪の決断に思えても仕方ないと思います。

しかし、それで我慢した結果、あなた自身が凄く不幸な人生を辿っているように見えると今後子供達が成長して大人になった時にどうしようもない罪悪感を背負ったまま生きていくことになるかもしれません。

言い方は極端ですがまるで一生消えない十字架を背負っているようで、一生掛けても償いきれない罪悪感だけが残っている感じで母親を見てると凄く胸が痛いんです。

だから今後自分が相手(嫁・旦那)と一緒に幸せになる未来はないと思うなら思い切って離婚してほしいし、離婚しない決断をするなら子供が成長して大人になった時には幸せな未来を迎えていて欲しい。

これが親の離婚問題を直で経験した子供の率直な願いです。

子供のためという理由だけで離婚しなかった結果、不幸な人生を歩む親の姿を見るのは本当に辛い。

本当に子供のためを思うなら、我慢して離婚しなかった自分を美徳化するのではなく、潔く離婚して別の形で子供とともに幸せな未来を迎えて欲しいなと思います。

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