「お粗末さまでした」を作ってない人が言うのは失礼？どう使うのが正解？

「ごちそうさま」に対する返事として定番の「お粗末さまでした」。

この言葉、実は使う場面や相手によって、失礼にあたることも…。

「作ったのは私じゃないのに…」と疑問に思ったことはありませんか？

今回は、「お粗末さまでした」の意味や由来、そして正しい使い方について、丁寧にご説明します。

この言葉の奥深さ、そしてマナーの重要性について一緒に学んでいきましょう。

「お粗末さまでした」の意味と由来

「お粗末さまでした」という言葉は、日常会話で頻繁に使われますが、その意味や由来を深く理解している人は少ないかもしれません。

今回は、この言葉が持つ意味や、なぜこのような言葉が生まれたのか、そして現代における使い方について詳しく解説していきます。

「お粗末さまでした」の意味

「お粗末さまでした」は、主に食事の場面で、料理を振る舞った側が、相手からの「ごちそうさまでした」に対して返す言葉です。

「お粗末さまでした」の由来

この言葉の由来は、江戸時代にまで遡ります。

江戸時代には、武士や商人が家来や従業員に食事を提供する習慣がありました。

その際、主人側が自分の振る舞った料理について、

「粗末なもので申し訳ありません」

という意味で

「お粗末さまでございます」

と述べたことが始まりとされています。

現代における「お粗末さまでした」の使い方

「お粗末さまでした」は、古くから使われている言葉ですが、現代においても様々な場面で使われています。

しかし、その使い方には注意が必要です。

適切な使い方

料理を提供した際に相手から「ごちそうさまでした」と言われた際

自分の作った料理が、それほど立派なものではないことを謙遜して表す言葉として使います。

例：「手料理でお粗末でしたが、召し上がっていただけて嬉しいです。」

サービスを提供した際に、相手から感謝の言葉をいただいた際

提供したサービスが、それほど完璧なものではないことを謙遜して表す言葉として使います。

例：「拙い案内でしたが、楽しんでいただけましたでしょうか？」

不適切な使い方

作っていない人が使う

自分が作ったものではないのに「お粗末さまでした」と言うのは、不自然で失礼にあたります。

例えば親戚や友達を招いて料理を振る舞う際、食事を準備したのは奥様なのに、旦那様が「お粗末様でした」というのは不自然ですし、奥様に失礼です。

目上の人に対して使う

目上の人に対して「お粗末さまでした」と言うのは、あまりにも謙遜しすぎているように捉えられ、かえって失礼になることがあります。

自慢げに使う

「お粗末さまでした」は謙遜の言葉であり、自慢げに使うのは本来の意味と矛盾します。

現代における「お粗末さまでした」の注意点

お粗末様でしたを使う際、以下のシーンでは注意が必要です。

過度な謙遜は避ける

「お粗末さまでした」は謙遜の言葉ですが、過度な謙遜はかえって失礼に捉えられることがあります。

特に、ビジネスシーンや目上の人との会話では、自分の仕事やサービスに対して自信を持ち、適度な謙遜を心がけましょう。

例えば、プレゼンテーションの後、「拙い発表で申し訳ありませんでした」と何度も繰り返すことは、自分のプレゼンに対する自信のなさや、相手への敬意の欠如と受け取られる可能性があります。

状況に合わせて言葉を選ぶ

「お粗末さまでした」は、主に食事の場面で使われる言葉ですが、現代では様々な場面で使われることがあります。

しかし、状況に合わせて適切な言葉を選ぶことが大切です。

例えば、ビジネスの場でクライアントに報告をする際に、「お粗末な報告で申し訳ありません」と言うのは、やや不適切な表現です。

• 「ご多忙の中、お時間をいただきありがとうございます」
• 「現状は以上となります。ご不明な点があれば、お気軽にご質問ください」

など、状況に合わせた丁寧な言葉を選びましょう。

相手との関係性も考慮する

「お粗末さまでした」を使う際の相手との関係性も重要な要素です。

親しい間柄であれば、砕けた表現でも問題ありませんが、目上の人や初対面の人に対しては、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

例えば、上司に報告をする際に、

「お粗末な報告で申し訳ありません」

と言うのは、上司の威厳を傷つける可能性があります。

• 「ご報告が遅くなり申し訳ございません」
• 「ご確認をお願いいたします」

など、上司への敬意を示すような言葉を選びましょう。

「お粗末さまでした」の代わりに使える言葉

「お粗末さまでした」は、謙遜の言葉としてよく使われますが、状況によっては、より適切な表現を選ぶことで、より円滑なコミュニケーションが可能になります。

例えばごちそうさまでしたと言われた際にはこんな返し方もあります。

状況や相手との関係性によって使い分けることが大切です。